こんにちは!うーたんです!
スタジオジブリ制作のアニメーション映画、「もののけ姫」。
人間と自然の衝突や共存をテーマにした物語を、美しい美術と音楽が彩る本作は、ジブリ作品を代表する名作です。
本作では、人間が自然から切り取って作った「たたら場」という村が物語の一舞台として登場します。
エボシという女性が仕切るこの集落では、女性や病人たちが村を支える重要な働き手として描かれているのが印象的です。
このたたら場のモデルの場所はどこなのか、また、ハンセン病を描いているというのは本当なのか、まとめてみました。
題して「もののけ姫たたら場のモデルの場所はどこ?ハンセン病を描いているのは本当?」です!
もののけ姫たたら場のモデルの場所はどこ?
もののけ姫のたたら場の
モデルって聞いてたけど、日本で唯一現存する
たたらば跡。だってさ!来て良かった!
説明してくれたから、なお面白かった🎵 pic.twitter.com/QwGfSoxwXn— いっち (@ichichan0601) July 12, 2020
何度も観ているもののけ姫だけど、今回映画館で観て初めて気づいた。
たたら場にいた包帯の女性が、ラストのシシガミの爆風で綺麗な女性になっていることに…。かわいい…。#もののけ姫 pic.twitter.com/OAJJtQtbiq— あべしっ!⁝(文)ᾥ❜ )⁝ (@abc_spoon) July 12, 2020
もののけ姫放映で賑わってましたが、作品内のたたら場のモデルとなった場所が島根県雲南市吉田町に有ります。2017年公開の映画、たたら侍の撮影もこの近辺で行われました。何も無い田舎ですが、機会が有りましたら訪ねてみて下さい。 pic.twitter.com/UJU8CklFqg
— 宏です… (@HiroshiNikon) August 5, 2016
アシタカが、タタリ神の呪いを受ける原因となった鉄の弾の出所を探すべくたどり着いた場所が、たたら場です。
シシ神の森を抜けた先にある、大きな屋根が特徴的な、塀に囲まれた集落です。
この「たたら場」というのは昔の製鉄所のことを言います。
「たたら」とは炉に空気を送り込むための「ふいご」を指す語だったようです。
作中では複数の女性たちが歌を歌いながらたたらを踏むシーンが描かれていました。
大きな板を踏んで上下させることで炉に風を送る作業で、四日五晩踏み続ける重労働だと語られていましたね。
古代から明治中頃まで日本各地にたたら場が存在していたようですが、現存するのは島根県雲南市吉田町にある「菅谷たたら」という場所のみで、ここがもののけ姫に登場するたたら場のモデルとなったと言われています。
たたら場で行われる昔ながらの製鉄法は、砂鉄や木炭を大量に必要とするものです。製鉄が最も盛んな時期には、一回の操業で一山がまるまる削られたこともあるほど。
かつてたたらが最も盛んであったのは島根県の出雲で、物語のモデルとなった「菅谷たたら」もこの地域です。
実際に出雲の地形は製鉄による自然資源の採集によって大きく変化したと言われています。
もののけ姫の作中では、森を守ろうとするサンたちと、エボシを筆頭とした人間たちは激しく対立する形で描かれます。
森に住む生き物たちが人間に対して強い憎しみを感じていたのは、製鉄を生業とするためには自然破壊が不可欠という背景があったためなのですね。
たたら場の特徴
何度も観ているもののけ姫だけど、今回映画館で観て初めて気づいた。
たたら場にいた包帯の女性が、ラストのシシガミの爆風で綺麗な女性になっていることに…。かわいい…。#もののけ姫 pic.twitter.com/OAJJtQtbiq— あべしっ!⁝(文)ᾥ❜ )⁝ (@abc_spoon) July 12, 2020
ところで、もののけ姫で描かれるたたら場の大きな特徴として、たたら場が女性の職場として描かれています。
実際のたたら場では、女性が製鉄作業に関わることはなかったようです。たたらの神様が女性嫌いだと信じられていたことが理由と言われています。
女人禁制とされていたたたら場での仕事に女性を従事させたことも、神を殺すこともおそれないエボシの精神の反映とも捉えられます。
「エボシは売られた娘を見るとみんな連れてきてしまう」という言及が作中でありました。
保護した女性にたたら場で働く役割を与えているということですね。
たたら場の女性たちは強気で快活なキャラクターとして描かれていたことが印象的でした。
もののけ姫たたら場はハンセン病を描いているのは本当?
もののけ姫
人界と自然界の対立で、人界の合理主義の頂点としてのたたら場が、女性の立場が強く、ハンセン病患者の非人を保護しているように描かれているのは興味深いし、憎めないですよね。— 御雲湖上人(副会長) (@tousuke1125) September 11, 2018
深いですね。私はたたら場の場面が好きです。もののけ姫のたたら場みたいな場にあいむもしたいですね。障がいを持っている人、女性、色んな人が「そこにいてもいいんだよ」という場を作りたいです。(障がいを持っている人はもののけ姫の中では、ハンセン病だった人たちを想定してるみたいです)
— ふじのそうこ|不登校生のための塾運営 (@sokodoko2) July 11, 2020
「もののけ姫」でハンセン病患者描いていた 宮崎駿監督が明かす。宮崎駿監督が28日、「もののけ姫」でハンセン病患者を描いたことを明かした。たたら場と呼ばれる製鉄所で、包帯姿の人たちの働く様子が描かれている。構想を練りながら、国立ハンセン病療養所に何度も足を運んだというφ(´∇`●)
— yamazon (@yamazon_tool) January 29, 2016
ハンセン病とは、らい菌によって引き起こされる感染症です。
皮膚に病変が起こる病気であるため、古くから偏見や差別の対象とされていたようです。
現在に至っては日本ではほとんど発症することのない病気ですが、それでも少し前までは隔離が強制されていたほどです。
もののけ姫に登場するたたら場では、このハンセン病患者が描かれています。
エボシが「私の秘密を見せよう」と言ってアシタカを案内した場所で、全身に包帯を巻いた人たちが集まって武器を作っているシーンがありましたね。
この武器を作っている人たちがハンセン病患者なのです。
そのうちの一人である、横たわった病人が言うセリフに心を打たれます。
「どうかその人を殺さないでほしい。その人は私たちを人として扱ってくれた唯一の人。私たちの病を恐れずに腐った肉を洗い布を巻いてくれたのです。生きることはとても苦しく辛い。世を呪い人を呪い、それでも生きたい。」
エボシは作中で、山犬に蹴散らされた牛飼たちを見捨てたり、シシ神殺しもいとわないような冷徹な人物として描かれていますが、その一方で、ひどい差別を受けていたハンセン病患者を保護し、仕事を与えた人格者でもあることが、このセリフから伺えます。
まとめ
たたら場のモデルはどこか、また、ハンセン病を描いているのは本当か、ということについてまとめてみました。
森を守ろうとするサンたちの敵としてエボシやたたら場の人たちは描かれます。
しかし、エボシはただ無闇に自然を破壊する残虐な悪役ではなく、森への侵略はたたら場の人たちの生活を支える製鉄業のためであり、売られた女性や病人に手を差し伸べる高潔な人格を持ち合わせた人物であることが分かります。
自然と人間の対立や共存、生きることについてをテーマにしたもののけ姫。
物語の背景にある歴史について知ることは、物語をより深く理解するための一助となることでしょう。