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ラプンツェルの原作初版のグリム童話は怖い?ディズニーとの違いを徹底解説

ラプンツェルの原作初版のグリム童話は怖い?ディズニーとの違いを徹底解説
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こんにちは!うーたんです!

2010年に公開されたディズニー映画「塔の上のラプンツェル」。

この映画は、18年間高い塔の上から一度も外に出たことのなかったヒロイン「ラプンツェル」が、侵入してきた大泥棒「フリン」と共に、彼女の“魔法の髪”に秘められた謎を解き明かしていく冒険の物語です。

ラプンツェルの、明るく行動的かつ可愛らしい性格が魅力のこの物語、最近では、18年間も「ステイホーム」してきたラプンツェルを引き合いに出して、コロナ禍の自粛期間を前向きに乗り切ろうといった話題も取り上げられていましたね。

ところで、ラプンツェルの原作がグリム童話であることはご存じでしたか?

この記事では、ラプンツェルの原作初版のグリム童話は怖いという噂を掘り下げ、ディズニーとの違いを徹底解説していきたいと思います。

題して「ラプンツェルの原作初版のグリム童話は怖い?ディズニーとの違いを徹底解説」です!

 

ラプンツェルの原作初版のグリム童話は怖い?

グリム童話とは、ドイツのグリム兄弟が、ドイツ周辺の古い民話を元に、修正や加筆を加えて出版した子ども向けの童話集です。

出版当初のグリム童話には生々しく残酷な描写が多く、批判の声もあったため、現在私たちが読んでいるグリム童話は、ほとんどが初版に修正を加えたものになっています。

『塔の上のラプンツェル』の原作であるグリム版『ラプンツェル』の初版はどうだったのでしょうか。

 

ラプンツェルのあらすじ

あるところに、子どもを授かったばかりの夫婦がいました。

長年待ちわびた待望の子どもでしたが、妊娠中、妻の体調が悪くなり、だんだん食が細くなってきてしまいます。

そんな妻が食べたいと言ったのが、隣に住んでいる妖精が育てている「ラプンツェル」という野菜でした。

そこで、夫は妖精の庭からラプンツェルを盗み、妻に食べさせるようになります。

しかし、それが妖精に見つかってしまい、「ラプンツェルを好きなだけ摘む代わりに、生まれた子どもを妖精に渡す」という交換条件を突き付けられます。

やがて、夫婦の間には美しい髪の女の子が生まれますが、その子どもは条件通り妖精のもとに渡り、ラプンツェルと名付けられ、12歳になったところで、森の奥にある、入り口や階段もない高い塔に幽閉されてしまいます。

妖精が塔に登るときは、ラプンツェルの美しい長い髪を窓から垂らし、その髪をつたって登っていました。

ある日、偶然森の中を歩いていた王子が、ラプンツェルの美しい歌声に誘われて塔にやってきます。

王子は妖精と同じように、ラプンツェルの長い髪をつたって、塔の中に入っていきました。

王子をとても気に入ったラプンツェルは、毎日逢瀬を繰り返し、やがて双子を妊娠します。

妊娠によって王子との関係を初めて知った妖精は激怒し、ラプンツェルの髪を切り落として、ラプンツェルを追い出します。

そして、ラプンツェルを失ったことを知った王子は、失意のあまり塔から身を投げ、その衝撃で両目が飛び出て失明してしまいます。

数年後、塔の外をずっとさまよっていたラプンツェルと王子は偶然にも再会し、ラプンツェルが喜びのために流した涙が目にかかったことにより、王子は視力を取り戻します。

ラプンツェルと子どもたちは王子の国に一緒に帰り、2人は永遠に幸せに暮らしました。

いかがでしょうか。

グリム童話の初版には、具体的な性描写があったといわれていますし、王子の目が飛び出るといった怖い印象を持つシーンも衝撃的ですよね。

また、「永遠に幸せに暮らしました」という最後が、初版にはついていなかったという説もあるようです。

全体的に、怖いというか暗いムードの漂うお話です。

 

ラプンツェル原作初版とディズニーとの違いは?

グリム版のあらすじにはディズニー版と違うところがたくさんあることが分かりましたね。

では、その中でも特に大きな違いについて紹介していきます。

ディズニーとの違い・登場人物

グリム版では、ヒロインのラプンツェルは普通の娘、ヒロインを塔に閉じ込めるのは妖精、ヒロインと結ばれるのは王子様です。

ディズニー版では、ラプンツェルはお姫様、妖精は魔女、王子様は大泥棒に変更されています。

 

ディズニーとの違い・ストーリー

グリム版のラプンツェルは12歳になってから塔に閉じ込められましたが、ディズニー版では生まれてから18年間ずっと閉じ込められていました。

また、塔から出るきっかけは、グリム版は王子との関係を知った妖精に追い出されたことであり、ラプンツェルはその後荒地で寂しい生活を強いられますが、ディズニー版では大泥棒のフリンに自ら外に連れ出してほしいと頼み、冒険を通して幸せを掴んでいきます。

その違いが象徴的に表れているシーンが、ラプンツェルが18年間伸ばしていた髪を切るシーン。

グリム版では、怒った妖精に無理やり切られてしまいますが、ディズニー版では、ラプンツェルを運命の呪縛から解き放つために、フリンが髪を切ります。

女性にとって一大事である髪を切るという行為を通して、塔を出た後のラプンツェルの未来が明るいものになるかどうかが暗示されていますね。

さらに、グリム版では、王子は塔から飛び降りて失明してしまいますが、ディズニー版では、ラプンツェルを外に出そうとしたフリンが魔女に刺されてしまうというシーンに代わっています。

ラプンツェルの涙により怪我が回復する点はどちらのお話にも共通していますが、ディズニー版では目が飛び出るといった残酷な描写はされていません。

全体を通して、ディズニー版の『ラプンツェル』は、グリム版の残酷さを取り除き、ディズニーらしい、希望に満ちた明るい物語に変更されていることが分かりますね!

また、普通の娘が王子様に見初められるグリム版よりも、活発なお姫様が自らの手で幸せを掴むディズニー版の方が、より現代の女性の生き方を表しているような気がします。

 

まとめ

この記事では、内容が怖いと言われているラプンツェルの原作初版グリム童話「ラプンツェル」のあらすじを紹介し、ディズニーとの違いを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

ディズニー版は原作の大まかな流れは受け継ぎながらも、過激なシーンをカットし、恋に仕事に頑張る現代の女性たちに勇気を与えるような前向きな内容に書き換えられていますね。

私もこの機会にディズニー版ラプンツェルを見返し、強くて可憐なプリンセスから日々の活力を貰おうと思います♪

今回は「ラプンツェルの原作初版のグリム童話は怖い?ディズニーとの違いを徹底解説」でお伝えしました。

最後までお読みいただきありがとうございました。